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ギターのフレット交換。-Guitar Refret-【プロの現場にはプロのギターテクニシャンがいる!!】



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今回はフレット交換の動画をお送りいたします。
と言いましても、私、篠原はギター製作関係の専門学校には行っておりません。
では独学?いいえ、それも違います。

Kanji guitarの川端完之さんに弟子入りして教えてもらったのです。

1番弟子が私なのです。

まだ、kanji guitarが埼玉県和光にあり、長屋を工房にしていた頃の話です。
私は当時、現場でギターテックの仕事で忙しい日々を送っておりましたが、
ギターって奥が深いじゃないですか。
現場では基本、弦交換、ギターの持ち替え、ステージ袖でエフェクターの踏み替えがうまくできれば、ギターテックとして認めてもらえますが、
何か自分の中で物足りなさ、アメリカのギターテック達への憧れなどもあり、さらなる技術を求めはじめました。

ある時、現場でギターにトラブルが起きてしまい、自分では直せないものでした。

その時マネージャーが言った言葉・・・

「現場のローディーさんもギターが直せたらいいのになー、アメリカのギターテックみたい、にそういう人が日本もいたらいいのに」。

マネージャーは、決して悪気があて言っているのではなく、何気ない一言にも聞こえましたが、

自分にはその一言が体に電流が流れたかのように、
ビリビリっと体内を衝撃が通り抜けて行ったのを今でも覚えております。

自分で言うのもなんですが、行動力のある自分はすぐさま、Kanji Guitarの門を叩きます。
もともと完之さんとは知り合いで、よく修理を頼んでおりました。
「自分にフレット交換を教えて欲しい!!」何故フレット交換かというと、なんと言ってもネック周りのトラブルはローディーでは手が出せないからです。
完之さんは心よく受け入れてくれて、自分に一から指導してくれました。

その時の完之さんの言った言葉は、

「専門学校に行かなくても、それを超える技術を習得させてあげますよ」

完之さん自身は専門学校を卒業しています。
その専門学校を否定する訳ではないと思いますが、

「自分が教えたら直ぐに専門学校生の技術は超えられる」

という経験から積み重ねた言葉は重かった。

初めて自分でフレット交換、ナット交換をやり終えた時、真夜中までかかってしまいましたが、完之さんも最後まで付き合ってくれました。
帰りにKanji guitar工房から完之さんに車で家まで送ってもらう中で、いろんなギターの話しを教えてくれました。
本当に全てが勉強で楽しい時間でした。

ある時、完之さんに「ギターを作ってみたら」と言われ。
答えは決まっています。「yes!!!」です。
そこからギター作りが始まりました。合計すると4本ギターを作らせてもらいました。

そして完之さんから1冊の本を貰いました。

「木のいのち木のこころ」西岡常一。

法隆寺を修復した宮大工棟梁の話です。木に関わる仕事をする人には大変おすすめな本です。
私はこの本を読んで、実際に法隆寺に行ってその宮大工、西岡常一さんがやったであろう、建造物を見てきました。
資料館には、西岡さんの使っていた道具が展示されていました。
この本を読んだら、法隆寺に行きたくなりますよ。
いや、行くことをおすすめします。

こうやって、完之さん初めいろんな人達から影響を受けてやり続けてきました。

さあ、次はあなたの番かもしれない・・・
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