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手嶌葵 [明日への手紙] DENON SC-A55XG(2004) 14cm WOOFER 3WAY SPEAKER TEST スピーカーテスト



Published
Player:iPhone 13 Pro (320kbps MP3 File Straight Out)
↓Bluetooth Connection
Amplifier:Nobsound NS-01G
↑Recording
Camera:iPhone 13 Pro (1080p HD/60 fps With Built-in Stereo Microphones)

DENONから2004年に発売された14cmウーファーのコンパクトな3WAYスピーカーです。外装は天然木の突き板に光沢塗装仕上げで非常に綺麗な仕上がりです。

下から14cmグラスファイバーコーンウーファーと2.5cmのソフトドームツィーター、普通このサイズならこのまま2WAYでも十分な気もしますが、そこにさらにクロスオーバー周波数18kHz~120kHzまで対応の1.9cmナストロン素材のドーム型スーパーツィーターを搭載しています。昔なんちゃって3WAYでよくあった圧電ブザーのピエゾタイプではなく、ネオジウムマグネット磁気回路のきちんとしたユニットです。ウーファーユニットもプラフレームながら、DENONではおなじみのダンパー裏の背圧逃がしの穴もあります。ネットワークも空芯コイルやフィルムコンデンサが採用されていました。BOXも奥に向かって絞られた形状で、これも見た目がスタイリッシュに見えるだけでなく音質向上にも繋がる形状です。内部は中間に環状補強がありますが、吸音材は0でした。単なるコストダウンではなく、意図的にそういう設計だと思います。

音は丁寧で柔らかく上下左右にとても広がる印象です。低音はサイズなりですが、中高音はフワッと浮遊感があり上までよくまとまってスムーズに伸び切っています。やみくもにワイドレンジを狙ってギスギストゲトゲした中高音ではなく、きちんと丁寧に設計されているなと思わせる音色です。それでも人によっては多少きらびやか過ぎると感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、この音の広がりは個人的にはなかなかだと思います。

DENON/COLUMBIAの歴史は古いですが、90年代以降で見るとSC-Eシリーズの純2CH Hi-Fiシステム用ヨーロピアントーンスピーカーが多数あり、ここ最近もまたその流れに戻ってきている感じがありますが、その間の2004年のSC-A55XGが発売された頃はサラウンドシステム用モデルばかりな印象がありました。型番は伏せますが、その中には本機同様綺麗な光沢突き板仕上げながら音楽は聴くに堪えないひどいモデルもありました。本機もサラウンド用として発売されたので、そんな色眼鏡で見られ2CH用としてはあまり見向きされなかったモデルかもしれません。しかし本機の鳴り方はSC-Eシリーズ時代に通ずる丁寧なものがあり、2CH用途でも全く問題ありません。ROCKなどは丁寧に鳴りすぎて物足りないケースが出てくるかもしれませんが、『見た目が綺麗なだけの張りぼてモデル』ではなく至ってまともなスピーカーなのは間違いありません。
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Audio
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